グリーン電力会社の株式会社afterFIT(東京都港区、代表取締役:谷本貫造)は、千葉県内のケーヨーデイツー店舗駐車場に「太陽光パネルの屋根付きカーポート」(ソーラーカーポート)を設置し、2021年12月11日からグリーン電力の供給を開始しました。afterFITが初期費用0円で設置工事を行い、店舗側は従来と同じ電気代のまま長期契約で電気を購入する仕組みです。国土が狭く、発電所の“適地”が不足すると言われるなか、afterFITは駐車場の二次的活用という方法に目を向け、再生可能エネルギー発電所を増やす取り組みをしていきます。●再エネ後進国の日本、“適地”不足のなかで期待される駐車場「ソーラーカーポート」を設置したのは、株式会社ケーヨー(千葉県千葉市、代表取締役社長:醍醐 茂夫、以下ケーヨー)が運営する、ケーヨーデイツー八街店(千葉県八街市)。既存駐車場のうち、1,050㎡の敷地にある82 区画分の駐車スペースについて太陽光パネル屋根を載せました。総発電容量はおよそ250kWで、店舗の消費電力の4割をまかなえる計算です。再エネに切り替えられるだけでなく、屋根が雨除けとなるため、来店率が落ちる雨の日の集客向上も期待できる施策で、“三方良し”の脱炭素ソリューションであることが導入につながりました。ケーヨーは今後、設置店舗を広げていく予定です。世界的な脱炭素の流れのなか、政府は昨年の「カーボンニュートラル宣言」以降、再生可能エネルギーの導入目標を電力全体の36~38%に掲げています。しかし、日本は国土が狭く、太陽光発電に向く“適地”は発電所が既につくられており、ここ数年、新規の太陽光発電所認定数は停滞してきたのが実情です。そうしたなか、国の目標達成に向けて注目されているのが、建物の屋根上や池、耕作放棄地、農地です。しかし、地方の過疎地では土地があっても送電網が細く、発電所の実現性は低くなります。送電網に接続できなければ、自家消費にとどまり、そのポテンシャルを生かしきることができません。●AI解析で「駐車場×太陽光」の適地を検索そこで、afterFITが注力しているのが商業施設や店舗の駐車場です。駐車場は地方や郊外であっても利便性の高い場所にあるため、送電網への接続可能性が高まります。今年春から、発電所がつくれる駐車場をAI解析で自動検知する取り組みも始めました。衛星データに様々な条件を入れてAIで解析し、条件を満たす駐車場を自動判別する仕組みを開発。送電網に接続できたり、日射量が十分確保できたりするなど一定条件を満たす駐車場を探しています。この解析によれば、東日本のある県だけで、太陽光発電所の“適地”と言える1000㎡以上の駐車場が700か所、100㎡以上であれば6000か所あることが分かりました。●コストダウンにより、「従来の電気代のままグリーン電力」を実現一方、農地が法制面の壁を抱え、屋根上が建物の耐震・耐重性という課題を抱えているのに対し、駐車場の課題はコストでした。そこで今回、afterFITは自社で独自架台を設計・開発。コストを抑え、短い工期でカーポートを組み立てる工事手法にたどり着きました。これまでにメガソーラーを含む発電所を200MW以上つくってきた実績があり、社内に設計、土木、工事、電気などのすべての専門家がそろっている強みをいかしています。その結果、全体を通じて効果的にコストダウンを実現しました。気候変動対策の一環として、企業が再生可能エネルギー導入を進める動きは加速しています。導入を決めたケーヨーは今回の八街店を皮切りに、ソーラーカーポートPPAの導入を拡大したい考えです。効果を見ながら、両社でさらに取り組みを推進していきます。<ソーラーカーポートの概要>afterFITが「しろくま電力(ぱわー)」ブランドで展開するソーラーカーポートPPAは、工場や店舗などの大型駐車場に「屋根付きの太陽光発電」を設置し、CO2排出量ゼロの自家消費電力を利用できるサービスです。顧客企業側は初期負担ゼロで導入・設置できます。今回設置するソーラーカーポートは、afterFITが独自開発したもので、後ろ柱だけのタイプです。前柱がないため、駐車に支障がなく車両ドアの開閉にも影響しません。買い物客の快適さを考慮した仕様です。