afterFITは、株式会社ホールエナジー(代表取締役:淺野浩志、本社:東京都品川区、以下「ホールエナジー」)との業務提携を通じて、日本初の「コーポレートPPAオークション」に参加、年内に第一回オークションを開催します。企業の再生可能エネルギー調達が進む欧米では、調達手段のひとつとして「コーポレートPPA(CPPA)」が注目されています。企業が電力を直接調達するCPPAは、国内でも近い将来、導入希望企業が増えることが見込まれますが、新たな発電所開発には限りがあります。このため、需要家企業と発電事業者をマッチングするプラットフォームを創設することにより、適切な価格や条件で取引できる仕組みを提供します。■日本初「コーポレートPPAオークション」コーポレートPPA(※1、以下「CPPA」)は、需要家が発電事業者から再生可能エネルギー(以下「再エネ」)の電力を長期に(通常 10~25 年)購入する契約です。小売り電気事業者からの電力調達ではなく、再エネ電源を直接調達する手段として注目されています。「CPPAオークション」は、需要家と発電事業者を直接結びつけ、マッチングするオークションプラットフォームサービスです。需要家は、複数の新規の「非FIT」(※2)再エネ電源(発電所)の中から最適な案件を選択でき、発電事業者は「非FIT」電源の契約先の確保が可能になります。まず、個別に需要家企業に再エネ電源を提示してマッチングさせる仕組みで第一号案件を21年12月実施、その後、需要家を集めるプラットフォームを2022年中にスタートさせる予定です。ESG投資の流れが世界的に加速し、日本でもコーポレート・ガバナンスコード改定でTCFDに沿った情報開示が求められる等、企業価値の向上において再エネ調達の重要性が増しています。再エネ導入100%を宣言する国際イニシアチブの「RE100」に加盟する日本企業は、2016年にゼロでしたが、20年には50社に増えました。なかでも、注目されるのが「追加性(Additionality)」という概念です。従来は、再エネ電力の調達と言えば、「グリーン電力証書」「J-クレジット」など環境価値を「証書」で購入する形でした。しかし、新たな世界的潮流として、「追加性」が重視されるようになっています。「追加性」とは、企業自らが再エネの発電そのものに貢献しているかを問う視点です。再エネ発電所への投資や直接調達、開発に乗り出すことまでが求められるようになっており、それを実現する手段として注目されるのが「CPPA」と呼ばれる直接調達の契約です。欧米メーカーを中心にサプライチェーン対しても再エネ100%電力の導入を求める動きが進んでおり、取引先である国内企業を中心に調達ニーズが高まっています。ホールエナジーには、そうした国内企業から「取引先が欧州メーカーで、再エネ導入について尋ねられるようになったが、何から始めればいいのか」「発電事業者や発電所の情報がどこにあるか分からない」などの声が寄せられています。このため、発電所の開発力で実績があるafterFITと業務提携することで、需要家に向けて最適なコーポレートPPAを提示し、適切な価格・条件で取引できるマーケットをつくっていくものです。※1) PPA は電力購入契約(Power Purchase Agreement) の略で、通常は小売電気事業者が発電事業者から電力を調達するために締結します。コーポレートPPAの場合、発電事業者と需要家(法人)が締結することになります。※2)再エネにおける国の固定価格買い取り制度(FIT)を利用しない再エネ電源(発電所)。■参画検討中の需要家企業のコメント⚫︎ 某大手不動産投資顧問海外の投資からの評価をあげ、投資家集めをするべく、GRESBの追加性をあげていきたい。そのためには追加性のある再生可能エネルギーの調達が必要。⚫︎ 某外資大手不動産投資顧問本国からの要請で、具体的な再エネ導入の中長期的な計画を出すように迫られている。特に、海外においては証書を活用しての再エネ導入は評価されない傾向があるため、PPA活用は必須と考えている。⚫︎ 某大手デベロッパー現在の再エネ調達方法は証書での環境価値確保になっているが、証書も発行数に限りがある。2030年~50年までにCO2ゼロを謳う中で、今から30年、50年向かうにあたって、その長期間途切れずに再エネ(CO2フリー)調達ができることが求められる。そんな環境下で長期間安定的に、一定の価格で調達できるPPAといった仕組みは近い将来必ずどこかで考えないといけなくなってくる。⚫︎ 某大手ハウスメーカー30年カーボンニュートラルを宣言している我々としては、建設期間に時間がかかる洋上風力発電、地熱発電など大規模工事が必要となる発電所建設は不可能。にもかかわらず、リーディングカンパニーとして投資家などのステークホルダーからはより投資促進効果がでる「追加性のある再生エネルギー」の導入が求められているため、透明性のあるプラットフォームは非常に利用価値がある。上場事業である我々としては、ステークホルダーからの声にも応えていかないといけない。⚫︎ 某大手自動車部品メーカー取引先に欧州メーカーがおり、再生エネルギーの導入について気にしているところが多く、導入への検討をどれくらいしているのか聞かれることが多くなった。工場屋根に太陽光パネルを付けて自家補給をするとしても圧倒的に電力量は足らない。しかし自己託送だと自社での受給管理が必須となるため、ノウハウ的にも人員的にも難しく、PPAを検討しないといけないと思っているが、発電所の情報収集が困難なため、信用できるプラットフォームがあれば情報収集にかける工数を削減できる。■ホールエナジーのコメント需要家様にお会いするたび追加性のある再エネの調達ニーズが日々増加していることを感じております。そして、需要家様だけでは、どの発電業者から、どのくらいの電力を、いくらで調達するかを判断することは困難であろうと思いました。このように現状の日本は、再エネを調達する事が困難な市場構造になっていますが、このプラットフォームによって構造を変え、スムーズな取引が行われる世界にしたいと思っています。そこで、実績・実力のあるafterFITと組むことによってこのサービスを実現していきます。(代表取締役 淺野 浩志)■afterFITのコメント『追加性』のあるグリーン電力を調達したいという声は、当社にも寄せられており、需要の高まりを感じています。一方、そうした企業の悩みとして、『相場観が見えず、判断できない』『価格や条件、事業者が適切か難しく、社内を説得できない』という声があります。今回のオークションは、相場形成をし、透明な取引市場をつくることで、需要家の導入を後押しするとともに、私たち発電事業者にとっても、新たな顧客を見つける可能性があるものになると思っています。(代表取締役 谷本貫造)■株式会社ホールエナジーホールエナジーは、2016年の電力全面自由化とともに設立されました。中立的な立場で電力オークション事業を行い、一部上場企業をはじめ700社を超える企業の電力コストを年平均15%削減して参りました。今後は、脱炭素の世界的な潮流から生まれるニーズを含め、より複雑化する、企業の最適な電力購買を支援します。設立2016年7月代表者代表取締役 淺野 浩志事業内容電力オークション事業、エネルギーマネジメント事業、再エネ導入コンサルティング事業、エネルギー関連事業URLhttps://www.whole-energy.co.jp/